ネパールの女性自立支援団体WSDOの流れ
●80年代:女性の自立をめざした訓練施設が多数設立●
■ネパールのポカラ市にあるフェアトレード団体 WSDO (Women’s Skills Development Organization)(旧称WSDP)は、1975年設立の訓練施設でした。
■80年代ネパールには、政府や外国の援助協力による「女性のための訓練施設」が多数ありました。識字教育や技術訓練などを行ないましたが、職業訓練終了後、仕事先や収入を得て自立に至ることは困難でした。
●90年代:フェアトレード「職業=収入につなげよう」●
■90年代、WSDP(当時)に赴任したイギリス人ボランティアの提言で、職業として授産施設レベル以上の収入が得られるようにと、販売活動を開始しました。ポカラ市には観光客が訪れるエリアがあり、主に外国人観光客対象に販売しました。
■首都カトマンズにも同様の団体があり、商品を公正に販売できるように協力し、93年、FTGN(Fair Trade Group Nepal)を設立しました。WFTO(World Fair Trade Organization)に加盟し、国外へ輸出することで販路を広げていきました。
■WSDOでは綿糸を染色し、織り、縫製して商品化しています。
●外国からのボランティアの技術を活かして継続●
■2000年代、イギリスやアメリカのボランティアに続き、日本の青年海外協力隊員(JOCV)が赴任し、染色、縫製、デザイン、管理など多様な協力を展開しました。
■WSDOがボランティアに求めたのは「モノやカネ」の寄付ではなく、新しい技術でした。シニア海外ボランティアのデザイン指導もあり、ネパール人自身による、デザイン、製作を継続しています。